がんと3ヶ月娘と私 ~AYA世代の闘病日記~

2018年8月に腎細胞がんと背骨への転移と診断(ステージⅣ)。とあるAYA世代の会社員の明るく楽しい(⁉)日々の生活を綴っていきます。

生きていくんだ それでいいんだ〜田園〜

自己紹介はこちらhttps://kurorotomo.hatenablog.com/entry/2019/02/06/222144

9月28日。

空き時間にやってること

気が付けば、地元のA病院からB病院に転院してきて丸2ヶ月。入院患者にはもれなく名前と生年月日と患者IDを示すバーコードが記載されているビニール製のリストバンドが配られるが、先日とうとうバーコードが読み取れないくらい薄くなってしまった。それが、この病院生活が長いということを語っているだろう。

こうも病院生活が長いとやることすべてがマンネリ化してくる。それを解消?しようと最近やっていることを書き綴りたい。

iphoneのアプリ集め】

入院してから契約更新の時期を迎えたということで、機種変更でとりあえずiphoneを使っている。

前のスマホ容量たったの8GBでアプリをSDカードにインストールできない痛いスマホ(京◯ラさん!頑張って!)のため、アプリが5~6個しか入れれなく我慢に我慢を重ねていた。

今回、容量が64GBに増えた(それでも最近だと少ないかもしれないが)ので前の反動かアプリを探してインストールしてみて品定めするのが日課になっている。

色々なアプリを集めているが少し切ない話、腰を悪くして入院、病院では歩行器で移動しているにも関わらず、

・航空券やホテルのチケット検索アプリ

・国内外の電車路線図のアプリ

・外食系のアプリ

・Tポイントなどのポイント系アプリ

を集めている。

これは、今でこそ全く必要ないが、自分の病気が治ったら何をするだろう、何がやりたいだろう、何を必要とするだろうというのを考えて集めたアプリだ。

そうやって、やりたい事を今のうちから考え、思い巡らすことが今を生きる活力になるかもしれないと信じて。

フライトレーダー24

世界中で飛んでいる飛行機の位置や速度、目的地などをリアルタイムに表示してくれるアプリ。

今の病室の窓は南向きなのだが、南から北に向かう飛行機を頻繁に見ることができる。このB病院から直線距離で15km程に空港があってその滑走路を南に延ばしたところがここだから、着陸態勢に入った飛行機が見れるという訳。

飛行機を見る度にどの空港発のものだろうかとアプリで調べる。だからと言って、特段それ以上の事があるわけではないのだが。

【自宅療養のための準備】

前々回の日記に、Amazonやメルカリで必要な医療機器を集めていると書いたが、結局それらで風呂の椅子、風呂の手すり、トイレの手すり、エアマット、杖、松葉杖をこしらえた。

そして自宅療養トライとして、9月23日に日帰りで帰宅。9月25日-26日には外泊をした。

特段問題があるとすればお風呂どうしても無理な体勢が取れないので、背中や足の裏を洗うのは妻の介助が必要だが、住んでいるのは普通のアパート。風呂場が狭くて2人が入って洗うのは少し困難だ。

あとは、エアマットからの立ち上がりベッドを買わずにエアマットだけでどうかと試してみたが、腰がやられているので地べたに近い高さから立ち上がるのはやや困難な気がする。これはベッドを買えば何とかなりそう。

自分のアパートは1階と2階があるメゾネットタイプのアパートだが、心配していた階段の上り下りは何とか手すりを使ってできたので少し安心。

また、自宅と病院の移動において座った体勢での移動は病変のある腰に負担が掛かるので避けねばならない。というか、寝そべった体勢必須。

常に娘を連れていくためチャイルドシートを後部座席に設置している。だから、後部座席の片側を倒してリアラゲージとフラットにして縦に寝るということをやらねばならない。

車はミドルサイズのSUVなので寝るスペースは確保できているものの、毎回の乗り降りの負担や移動中の身体の固定などは見直す必要がありそうだ。

ただ、残念ながら前回の日記の通り圧迫骨折しているところが新たに見つかったため、退院の準備はしていたものの入院は当分継続することになりそう…(´-`)

心強くなれそうな「田園」

何気ない休日。

土日祝は診察・検査などやっていないので先生、看護師さんも少なく閑散としている。病院食も、2~3週間サイクルなので2ヶ月ともなれば、あぁまたこれかと思うのも日常だ。

上記の通り、日常iphoneのアプリ集めをしているのだが、最近ゲットしたAmazonMusicという音楽アプリにダウンロードした曲を聴いて今日は過ごしていた。

月額でいくらか支払えば圧倒的にダウンロードできる曲が増えるらしいが、自分はすでに入会しているAmazonPrime会員の範囲内でとどめているので聴ける曲は限定的だ。

となると、ダウンロードする曲のボーダーラインをそれなりに下げないとダウンロードリストに曲が溜まらない訳で、ある程度聞き覚えのある曲は積極的にダウンロードしていた。

そこでいきなりだが玉置浩二の「田園という曲が流れてきた。最終的に92万枚売れた玉置浩二の1996年リリースの代表作だ。発売当初、自分は小学6年生。安室奈美恵とかスピッツとか若者向けのアーティストなら知っていたが、渋めの玉置浩二なんて当時は興味の「き」の字もなかった。

ただ、何故この曲をダウンロードしていたかというと、同級生のSくんがお父さんにいい曲だからクラスのみんなに聞かせてやりなさいと「田園」のCDを持たされていて、担任の先生が給食の準備時間にならと流していたからだ。

たしか、6年1組のクラスメイトは半年間くらいは毎日給食前にこの渋めのヒットソングを聞いていたことになると思う。

この曲のAメロは音程の少ない早口での語り口調で、小学生の自分はなんだこの変わった曲はという印象しかなかった。

ただ、今聞くとどうだろう。

Aメロこそ未だに馴染めないが(笑)、全体を通して聞くと不思議と良い曲のように思えてくる。

サビの出だしの

生きていくんだ それでいいんだ

 というフレーズ。

今この状況に置かれて自分に言い聞かせてくれているようで急に大量の涙が溢れてきた。最近、涙腺が弱くなったのかもしれない。

現在、進行性のステージⅣの腎臓がんだが、悪化しても片方の腎臓が機能する限り大きな支障はないはずだし、転移先が骨なので、これも悪化したところで身体が動かせなくはなるが、死ぬ間際という状況でもない。

だから、生きる死ぬを意識する必要はないはずなのだが、こういうフレーズが心の底から響いてくる感じがする。

それほど、がんという病気は重いし、怖い。

でも、この涙は決して悲観的なものではなく、頑張っていこうという決意を起こさせてくれた涙だと思う。

玉置浩二さんに感謝。そして、Sくんのお父さんに感謝。

 

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2018/9/29の治療・検査

・ヴォトリエント 3錠

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